江戸時代中後期の約60年間という短い期間に、「三熊派(みくまは)」という画派が京都を中心に活動しました。三熊思孝(みくましこう)・三熊露香(みくまろこう)・広瀬花隠(ひろせかいん)・織田瑟々(おだしつしつ)という4人からなる三熊派は、桜のみを描くことを流儀とし、絵の道に邁進していきました。
三熊派の始祖である思孝は、春になると桜を観察するために全国各地へ出かけ、その成果を活かして桜を描いたと言われています。そうした思孝の姿勢は他の3人にも引き継がれ、細部まで丹念に描き込まれた桜画を遺しています。このように、持てる力の限りを尽くして桜を描いた三熊派の根本には、日本で古くから愛されてきた桜の美しさを、絵画という形で表現したいという思いがありました。
本展示では、三熊派の4人が見出し絵に込めた桜の美しさについて、笹部さくらコレクションに収められた三熊派の掛軸からご紹介します。
四季を感じる美術品、歴史を感じる史料、どれも興味深いな。
お酒や桜以外にも、色々な展覧会が開かれているのね!!